医療業界の新しい方向“予防医療”

リスクを回避するという予防医療への変換期

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「予防医療」という言葉を耳にしたことはありますか?予防医学という学問は、20年前の日本には存在しなかったものです。予防医学とは、病気にならないように未然に防ぐ医学のことを言います。近年、その重要性が高まっている主な要因として挙げられるのは「日本社会の高齢化」です。日本は高齢者の増加に伴って、健康保険の自己負担分が2割から3割に増えました。そうしたことによって「健康は予防で守る」という認識が世間で徐々に広がりはじめ、それは将来、国の財政負担を軽減する効果をもたらすと言われています。
また、三大生活習慣病である「がん・脳卒中・心臓病」の増加も、予防医学のニーズが高まっている要因の一つです。現代の医療システムは臨床医学中心で病気の治療や早期発見には目覚しい進歩を遂げていますが、病気予防や健康の質の向上といった分野においてはあまり力を入れていませんでした。しかし、予防医療の正しい知識を持って生活習慣を改めることができれば、さまざまな病気になるリスクを事前に回避することができます。
少子高齢化が進み過酷なストレス社会と言われている今だからこそ、自分の体は自分で守る「予防医療」に舵を取る必要があるのです。

医療制度や法律の改正を読み解く

高齢化社会に突入した現在、医療費の増加や不況による保険料の伸び悩みによって、医療保険はどの制度も大きな赤字を計上しています。医療保険の苦しい財政運営を打開するためには、医療制度の改革は必須です。そのため平成18年度には、サラリーマンの医療費負担の引き上げ・70歳以上の高所得者の窓口負担の引き上げ・診療報酬改定などが行われました。引き続いて平成20年度には、「後期高齢者医療」「特定健診・特定保健指導」を重要視した医療制度改革が施行されています。
「病気を治す」から「健康を維持する」医療への転換。これを目指すことで私たちや国の財政負担が軽減し、少子高齢化に負けない安定した医療制度の再構成が可能になると言えます。年金や生活保護が生活を支える保障であるなら、医療保険は私たちの命と健康を支える保障です。こうした問題を時代の流れに沿って一つ一つ改善していくことで、日本が抱える医療の問題は解決方向に向かうのではないでしょうか。

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