看護師不足の原因を探る
高い離職率!3Kから9Kへ!?
看護師の離職率が他職種に比べて非常に高いことをご存知ですか?2012年度における看護師の離職率は常勤10.9%、新卒7.5%にのぼります。しかも看護師の世界では、2,3回転職するのは、ごくごく当たり前。辞めることに抵抗が少ないのも離職率が高い理由ひとつだといえます。
看護師の高い離職率の最大の原因は、やはり過酷な労働環境です。いい例に看護師の現状を表す「9K」というものがあります。9Kとは、劣悪な労働環境を表す際によく使われる3Kに新たな6Kが追加されたものです。
一般職に比べて、看護師は給料が高めではありますが、過酷な労働とストレスに給料が見合っていないという意見が以上に多いのが現状です。このように、日本の医療現場に看護師を増やすためにはまだまだ問題が山積みです。しかし最近では、働きやすい環境を作って人材を確保するために「労働環境の改善」に努める病院が増えてきました。全国的に看護業務の見直しが進んで、1つでも多くの「K」が解消されることを願うばかりです。
医療事故やストレス過多による悪循環

看護師不足に拍車をかけている大きな原因は、上の図のようなサイクルが出来上がってしまっていること。人手が足らず、長時間労働や夜勤続きといったハードな労働をしていればストレスが溜まるのは当然です。ストレスによる心身の疲れはミスに繋がります。いずれ小さなミスの繰り返しが大きくなり、誰かの命を奪いかねない重大な事故を引き起こすことに・・・
上記のような流れの中で「医療事故を起こしてしまうのでは」という恐怖心を抱いて辞める方、ストレスの蓄積による体力的・精神的理由で辞める方は少なくありません。
次々と人が辞めれば、今度は人が育たないという問題も生まれます。ベテランさんがいなければ新人さんへの教育サポートができない上、十分に悩みやミスをフォローしてもらえません。そのため新卒でもすぐに辞めてしまうという最悪の事態になり、人材不足の悪循環は続いていくのです。
看護師の離職スパイラルを断ち切るカギは、スタッフの相談に乗る・夜勤を減らす・シフトの要求に柔軟に応えるなどして、病院経営側が手厚いサポートを怠らないことです。また、新しい人材確保のために、求人に力を入れることも大事ですが、募集する上で、地域によっては人員に偏りがあることも、気をつけたいところ。全国的にみて求人数が多い注目の地域は名古屋。看護師転職サイトと地域が連携して人を呼び込むことが全国各地の人材確保に繋がります。