介護職の人手不足の原因を探る
看護師に負けない離職率の高さ!
看護師と介護士・・・患者様・利用者様の日常生活サポートを行うという点で、共通しているこの2つの職業。看護師と同様に、介護士も深刻な人材不足を抱えています。注目すべきなのは、看護師に負けず劣らずの介護士の離職率!なんと3年以内に辞める介護士の割合は、全体の60%以上にものぼります。介護士の仕事がなかなか続かない理由を考えてみました。
■職場の人間関係の不和
■ハードな労働時間や勤務体制
■仕事に見合わない報酬
以上の3つが上位に上がる意見です。
まず、人間関係の不和はどの職種でも起こりうること。ただ、介護士は女性が多い職場ということもあり、派閥争い・陰口・いやがらせといった女性独特のトラブルが起こりやすいようです。次のハードな労働環境は、社会的にも問題視されています。過酷な労働の理由のひとつに、夜勤規制がないという事実があります。ただでさえ体力を使う仕事なのに夜勤続きで生活リズムが完全に狂ってしまったら誰でも体がもちませんよね。そして最後は、納得できない給与の安さです。精神的にも体力的にもタフさが求められる介護職。高齢化による介護ニーズが高まる中、人材不足を解消するには、過酷な労働条件でもしっかりと納得できるような報酬を設定しなければ、人は集まりません。
離職の理由は職場環境。人間関係に悩める介護スタッフ
介護士の離職率に一番影響を与えている問題を探ってみると、主な退職理由の3つの中で最も多かった意見は「職場の人間関係の不和」でした。
職場の人間関係といっても、スタッフ間のトラブルだけではありません!そこには利用者さんとのもめ事も含まれています。もめ事で多いのは利用者さんのわがままや暴言。ひどい場合は暴力もあるそうです。高齢者が施設に入るのは慣れ親しんだ我が家から引き離されるも同然。置かれる生活環境が大きく変わるストレスから、高齢者が周囲に当り散らす事例も珍しくありません。こんな過酷な現場なら、職員にストレスがたまってスタッフ同士がギスギスしていてもおかしくないですよね。
介護で一番求められることは「気持ちのコントロール」です。スタッフ全員が感情に振り回されないためには、ひとりひとりが心の余裕を持ち、お互いを支え合える環境をつくることが大切!「強い精神の保ち方」をレクチャーする勉強会を設ける、スタッフの上下関係を整えて相談しやすい環境を作るなどして、チーム連携に力を入れることが人間関係の悩み軽減に繋がります。